エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書の最大の違いは、遺言書には法律的な拘束力が有りますが、エンディングノートには拘束力が無い事です。

「自分の財産のうち100万円をお世話になった友人のAさんに差し上げます。」と遺言書に書いておけばAさんは100万円を受贈できますが、エンディングノートに書いてあったのでは100万円をもらう事が出来ません。もちろん相続人全員に納得してもらえれば受け取ることが可能かもしれませんが。

遺言書に書く事は法律的な事で、エンディングノートは個人の覚え書きのようなものなのです。

それではエンディングノートには意味がない、という訳ではありません。

エンディングノートを書く事で自分の老後をしっかりと見つめ直すことが出来ると共に、老後の自分の生活の目標を見出す切っ掛けとなり、活発で明るい老後への道しるべとなります。そして、最終的には遺言書をどのように書いたらいいのかという事がはっきりと見えてきます。言わば「人生の棚卸」がエンディングノートで、それによって遺言書に書いておくべきことが見えてくることがとても重要な事だと思います。

エンディングノートの選び方

現在、エンディングノートは書店などで多種多様なものが販売されていますが、エンディングノートに書くために大変参考になる反面、項目が多すぎて自分にとって必要ないページが沢山連なっている事もあります。まずはお気に入りのノートにお気に入りのペンで気軽に書いてみてはいかがでしょう。遺言書と違って様式は問いません。何を書いても良いのです。どのように書いても良いのです。
エンディングノートは終わりのためのノートではなく、始めるためのノートでもあるのです。人生の節目に自分を見つめ直すための「これまで」と「これから」のまとめノートです。決して終わるためのノートではありません。

エンディングノートには注意が必要

エンディングノートを付けるにあたってひとつだけ注意しなくてはいけないことがあります。市販のエンディングノートには積極的に個人情報を書くものが多いのですが、財産の状況、マイナンバーなど他人に知られたくないような情報を記載するときには、そのノートの保管場所には気を付けてください。ですが、気をつけて下さいと言われて、気を付けすぎると、いざという時に役に立たなかったりという事も有りますので、信用の出来る方にその存在は知っておいてもらう事も重要です。

エンディングノートを実際に書いてみたら

これは、完全に私個人の事になりますが、私も数年前にエンディングノートを書きました。読書と旅行ぐらいしか趣味が無いので、これからの目標に「日本全国47都道府県全てをめぐる。」と記入しておきました。旅行の内容についてはともかく、もうすぐ47県めぐりが完了(残り2県)します。そこで、今度は海外で行きたいところを書いてみたら、20か国ほどありました。一年に一回の海外旅行をしても20年・・・まだまだ頑張らなくてはなりません。これがこれからの自分の老後の目標であり域外でもあり、楽しみです。他にもこれからやりたいことを沢山見つけて、時々、エンディングノートを更新していきたいと思います。

書いてみると、案外書けない個所も多く、また、老後にはそんなことが重要なのかと気づかされることも多いエンディングノートです。楽しく付けてみてはいかがでしょうか。