公正証書遺言、というのは遺言を公正証書にしたものです。公証役場で作成し、公証役場で保管して頂くことになります。

公正証書とは

公正証書は公証役場で公証人に作成してもらう、文章の事です。
公証人は原則30年以上の実務経験を持つ法律家(判事・検事など)の中から法務大臣が任命する国家公務員です。公務員なのですが国から給与をもらう訳ではなく、「公証人手数料」で公証役場を運営している個人事業主のような立場に有ります。
遺言書を作成したい方は、全国どこの公証役場に行っても遺言を書いてもらう事が出来ますが、病気やけが等で公証人に出張してもらう必要が有る時には、出向く場所のある都道府県内の公証人に頼む必要が有ります。公証人は管轄の都道府県から外へは出張することが出来ないのです。

ご用意いただくもの

必要書類

遺言書の原案
遺言者の印鑑証明と実印
遺言者の相続人がわかる戸籍謄本
遺贈する(死後に相続人以外の人に財産をあげること)場合は、その相手の住民票
財産に不動産があるときには登記事項証明書と固定資産評価証明書
その他、財産の目録(財産を一覧表にメモしたもの)
証人の身分証明になるもの(免許など)と住民票と印鑑(認め印でも良い)

証人

証人が2名以上必要です。配偶者や未成年者、推定相続人は証人にはなれません。公証人の配偶者、4親等内の親族、使用人なども証人にはなれません。

作成方法(公証役場でご本人に行っていただく事)

公証人が遺言者と証人二人以上の前で、遺言者の遺言の口述を筆記します。(通常は事前に終わらせています。)

公証人が遺言者と証人に筆記したものを読み聞かせし閲覧させます。

遺言者と証人が、その内容が正確である事を承認してい署名、捺印します。

遺言書作成のサポートとは

それでは行政書士の遺言書を書くためのサポートはどんなことでしょう?
まず、相続人の確定調査・財産目録の作成などの遺言書を書くにあたっての下調べや書類の収集などの準備を行います。
その後、ご本人のお話を詳しくお聴きして、ご本人が意図する遺言書になるように、「遺言書の原案」を作成致します。
また、公証人との打ち合わせをしたり、公証役場に出向く証人も行ったりと、ご本人のご負担を最小限にさせていただきます。

関連条文

(公正証書遺言)
第969条
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

遺言書について知っておきたい事