終活を始める前に
終活は「終わるための活動」と捉えることもできますが、終活のもう一つの側面は「第二、第三の人生をよりよく生きるための活動」であるということです。決して終わらせるためだけのものではありません。人生100年時代というのが現実味を帯びてきた現在にあって、会社を定年になったら後は終わりを待つだけの老後、というようなことは現実的ではありません。100歳まで生きるとしたら、今後40年生きることになるのが60歳です。まだまだ先は長いと言えます。60歳はむしろ折り返し点に近いかと思われます。終活は第二、第三、、、と続く人生の転機に、一度人生を振り返り、整理整頓し片づけ、まとめてみることで、今後の生活をより自分らしく楽しく生きていくために必要な活動なのです。
なぜ終活は60歳から?
ここで、何故60歳のお話をしたかというと、終活を始める時期についてのアンケートによると「終活は体力のある60歳台で始める方が良い。」というものが多かったそうです。今時、元気な60歳に「終活」をしましょうなんてお話をしたら怒られてしまいそうですが、実は終活には「物理的な終活」があります。エンディングノートを書くとか遺言書を書くなどの終活はもちろんなのですが、思い出の整理、家の整理整頓、墓じまいなどのように実際に体力を使って行なわなくてはならない終活です。これを行っておくことで非常に老後の生活の質を上げることになるのですが、あまりに当然のことと思われているためか、終活の中、その重要性が語られることが少ないのです。そのため、いざ、終活を考えようと思った時に、溜まりに溜まった「思い出」の中で、もっと早くから終活を始めておけばよかった。ということになるのです。
どこから終活を始めたらいいのか?と聞かれたら、エンディングノートでも、、、というのも良いのですが、体力の事も考えると、まずは、この思い出と生活の整理整頓からスタートすることをお勧めしたいと思います。墓じまいのように、お寺との交渉などが必要となるものも早めの活動が必要です。終活は体力が必要なものから始め、段階的に、その時その時に必要な「ご自分にあった終活」を「体力のある時」に行うことが大切です。
また、このサイトでは終活については遺言や相続と違い堅い話ばかりではなく、少し気軽に私自身の終活の話なども含めて記事を書いていきたいと思います。終活については法律的なことだけではなく、多角的なアプローチがあると考えるからです。